Gravavgrav "Death said..." Demo 2 CD
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(ORCD 173) GRAVAVGRAV / Death Said… demo 2 (CD)
2021年1月結成。BUTCHER ABC、FINAL EXIT / MORTIFY、KANDARIVASのメンバーによる国産オールドスクール・デスメタル。映画「ミッドサマー」の映画内に使用されたイラストを手がけたスウェーデンのRagnar Perssonもアートワークメンバーとして参加。
自ら「Bored Death Metal」を標榜し初期デスメタルバンドとアンダーグラウンドシーンから影響を受けた、”味気なく華がない盛り上がりにかける「退屈」なデスメタル”を楽曲制作コンセプトに据えて活動。
結成からこれまでにいくつかの自主デモ音源をCDR・カセットテープをメインに発表。
今回はCDフォーマットでObliteration Recordsからのリリース。新曲1曲とBLACK SABBATH “Black Sabbath”のカバーを含む2曲を収録したセカンドデモ音源。
収録曲
1. Death Said to Life
2. Slowly, We Are Rotting (Stench version)
3. Black Sabbath (cover / 6min 66sec version)
4. 死が生にいう
今や世界で最も有名な2021年結成『新人』バンド・GRAVAVGRAV、待望のスタジオ録音デモ第二弾!自らを退屈死亡金属と標榜し、スウェデッィシュデスな香りを撒き散らしながらドンマイに突き進むキョーレツデモ!
21年1月にバンド結成後 矢継ぎ早に作品を発表し、当レーベルでも販売したREH DEMOが世界中のアンダーグラウンドレーベルよりブートリリースされるという物凄い事態に発展しているGRAVAVGRAV!輝かしいバンド遍歴を持つメンバーのオールスター的なラインナップもさることながら、メンバーの課外活動的バンドの一言では済ませられない手加減無しの超キョーレツサウンドをたたき出す彼らのスタジオ録音デモ第二弾です。
ライヴ盤は生々しい演奏やその場での突発的なアレンジ、またテレコ録音だったりすると
その汚らしいサウンドにグッとくることもあるかと思いますが、やはり人によっては好き嫌いが分かれるものだと思います。このなにやっているか分からない劣悪なレコーディングが燃える!という意見も分かりますが、そこはオリジナル曲がどう鳴っているかを知ったうえで聴きたいところ。今回のデモはドラムのRyo氏(extremynekativemainds)を中心にメンバーでのセルフレコーディング/ミックスを行ったものですが、流石はextremynekativemainds、この作品において素晴らしい手腕を我々に見せ付けてくれます!Gt 2本 / ドラムのトリオ編成というデスメタルバンドにしては珍しい編成の彼らですが、ベース不在とナメてかかるとその重低音にヤラれちまうぞ!!!!
詩の朗読から始まるこの作品、それに続いて重低音鈍足デスメタル地獄!メンバーの標榜する退屈死亡金属 = Bored Death Metalとはあまり展開のないまま曲が突き進む様を自嘲的に表しているのだと思うのですが、逆にその展開なしのズルズル感がヤバい!そして要所要所で登場するブレイクがしっかりと曲のアクセントになっていて、このズルズル展開を一時間でも二時間でも聴きたくなってしまいます。うーん、キョーレツ!続く3曲目はインフォに拠るとBLACK SABBATH “Black Sabbath”のカバーということなのですが... なんとSunn O)))を髣髴させるデスドローン曲!これぞ退屈の極み!(褒) ドラム不在、ギター2本に拠る演奏を収録したものとなっていて、Su19bに所属し自身の楽曲を自らミックスを行うRyo氏がこのトラックにおいてはそれに徹したというのが肝になっているのではないかと個人的には思います。まるでもがいても叫んでもどんどんと体が沈んでいく沼のよう... 絶望感の溢れるこのドローントラックにかつてSabbathid Recordsからカセットをリリースしていたメキシコのドローンユニット・Dangerous Meeting in Nagasakiを思い出しました。しかしこの曲をイントロにドラムが入った長尺ライヴを聴きたいなぁ~!!そして最後はポエトリーリーディングで〆め... 実質2曲入りの今作ですが繰り返し聴ける適度な収録分数で、デモとしての体裁を楽しめる素晴らしい作品です。
そしてタイトルともなっているDeath Said…、稀代の伝奇/推理小説家である山田風太郎の著作からの引用ということですが、その意味を読み解きながら聴くというのも面白いのではないでしょうか。
死が生に言う。
「おれはお前がわかっている。しかし、お前にはおれがわかっていない。」
深い、という一言で片付けることほど陳腐なことは無いのですが、生きているうちには絶対に経験し得ない自分の死という体験の先になにがあるのか / またこの時代を生きていくうえで他者の死をどう捉えていくのかと、ヘラヘラしながらこの作品を聴き進めていくうちにだんだんと真顔になっていった私なのでした。
Text by Ucchy (死体カセット / cunts)
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